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塾長コラム「勉強の仕方」

  ここ数年、このホームページにあります「都立高校受験」の最後に(←これは旧いホームページにありました〜)「塾生でない方のご相談にも誠心誠意応じております」としましたところ、 毎年多くの方からご相談を頂けるようになりました。一度もお会いせず、お子様を拝見することもなく、ただ長年この仕事に従事して来た経験 から「分かる範囲で」お答えして参りました。多少でもお役に立てていれば、とても光栄に思います。
 しかし、近年、あまりにご相談件数が増加しており、また、ご相談内容のかなりの部分が非常に似通ったものでありまして(そうなりますと、 僕の回答もほぼ同じものになります)、手間を省くために「よくあるご相談と回答」なるものを作成いたしました。まずはこれをご覧頂ければ と思います(←ゴメンナサイ。量が多すぎて業務に差し支えるのも困るのです)。
 もちろん、これ以外のご相談、あるいはより詳しい説明が必要な方は、これまで通りご遠慮なさらずに馬渕までメールを下さいませ。

よくあるご相談
まず、一つ目。「どういう勉強をさせたら力がつきますか?」
 「勉強を教える」という仕事に従事していながら、これまで「勉強法」については、ほとんど語ったことがありませんでした。「僕は全部知っています」と偉そうに言い切っておきながら、具体的には何も記していない(_ _)
 
 馬渕、語ります。


勉強を教えるっていうのは、実は大変難しいことです。
 僕の専門は数学と理科でして、もう25年間も指導をしています。一流にはほど遠いですし、この業界には素晴らしい数学の先生がたくさんいらっしゃるので恥ずかしいのですが、それでも5年~10年間の指導歴のある中堅の塾講師の方に比べれば、少しは上手な指導が出来るつもりではいます。「数学が出来るようにならない」というご相談が多いので、では数学限定で。

 問題の解法を「説明する」。教える先生の説明が上手でしたら、普通レベルの生徒さんには理解してもらえる。出来ない子の場合、基礎になるパーツに欠落があることが理解できない原因であることが多いので、あらかじめ事前にここも説明しておいてあげる。すると、これまで理解できなかった問題の解法を理解できるようになる。やった~! 少しは力が着いたかな!
 
 誤解です。まったく力、着いていません。
 
 「個別指導の塾」の先生がよく陥るミス。個別塾はマンツーマンで設問の解法を説明してもらえるから解法を理解しやすいし、試行錯誤の1時間を経ずにゴールまで辿れる。なんて効率的な学習方法なんだろう!
 
 これがですねえ、まったく力が着かないんですよ。だってこれって、始めから答えを教えてもらっているだけですもの。「解法を教えてくれる のが塾じゃないんですか?」という質問(クレーム?)の返答。そんなの指導とは言えませんて。「正解まで自力で辿り着けるようにする」のが指導です。子供を大手の進学塾に通わせて、そこでの勉強についていくために家庭教師をつけたりするご家庭がたまにありますけれど、あれも大間違いです。解法は教えてもらっちゃダメ。
 
 数学は、まず、①基本的なパーツを理解し、記録(記録用のノートです。練習用のノートとは分けようね)を残す。②実際に記録を見ながら問題を解いてみる。もしきちんと正解まで辿れれば正しく記録が残っている証拠。正解まで辿り着けない場合は記録が不完全だから記録を修正。 これを何回か繰り返す。目的は「記録の正しさを確認するため」。
 これが出来ていない子は何度でも同じ質問する。で、何も教訓を得ない。③次の段階として記録を覚える場合もあるし反復練習に入る場合もある。テキパキと処理が出来るように練習をする。この部分は塾でやると時間がもったいないので宿題で対応。家でやれ。宿題やってこないと次 のステップに行けないよ。また生徒さんによって必要な反復量が異なる。
 で、はい、やっと基本パーツが手に入りました。

 こういうところは集団塾の方がずっと効率が高くなります。宿題やってこないと授業に着いていけなくなりますし、下手したらみんなに迷惑か けることになる。自分1人のために授業が止まるからね。
 「1人の生徒のために授業が止まる」というのは部分最適とは言えないんですけれど、これがプレッシャーになって宿題履行率が高まったり集中力が出たり、ある意味「全体最適」につながる、というのが集団塾のいいところです。
 
     ・・・何の話だっけ?
 
 そうそう、数学指導の話です。こうして、単元ごとにパーツを増やしていく。ここまでは誰でも出来るかな。しかし正しく記録を残すという技術を身につけるのに1年くらいかかるのが普通。集中して取り組めば(あるいは勉強量を増やせば)、半年くらいで出来るようになるかもしれ ません。

 で、やっと数学チックな訓練に入れます。

 問題を与えます。基本パーツだけで解ける問題。わからない場合でも最低20分は考えさせ、そのあとパーツの種類を指定したり、着眼点を与えたりして解法に導く。基本的には「記録を見ろ」「質問は記録から」です。
 
 基本パーツを組み合わせる問題=応用問題(食塩水の問題なんて、あんなものは応用問題でも何でもありません。やたらと苦手にする生徒が多いのですが、単に解法を暗記していないだけです)。は、解法を説明してもらってはダメです。説明するのではなく「導く」のが正しい「指導」です。教えるのではなく誘導するのです。解法への道を生徒さんと一緒になって歩いてあげることが大切だと思います。
 
 しかしですね、これがイライラするんですよ。あああああ、、、、、ちがうちがうちがうそうじゃないって!!! もうね、これはこう解くの!!!わかった? って説明したくなる気持ちをグッと抑えて「試行錯誤する1時間」を経験させる。ヒントによって正解へ導く。
 
 一部の天才を除いてですね、数学の指導法はこれしかないと思っています。
 
 数学は独習の難しい科目です。家で出来ることといっても、反復練習による基本パーツの習得、既に解いた応用問題を何度も解き直して、そこに含まれる基本パーツの組み合わせ方の妙を会得する、くらいです。あとは次の授業のために質問を用意するくらいかなあ。やたらとたくさんの問題を解かせる指導者もいますけれど、反復練習が必要なのは基本パーツの習得時だけであって、応用問題は一問をじっくりと様々な切り方して、そこからの教訓を大切にした方がいいと思います。
 
  基本パーツの習得に「記録と反復練習」。応用力の習得のために「試行錯誤する1時間と的確な誘導」。これが数学指導のキモです。
 
 どういう勉強をさせたら力がつきますか?
 上記、申し上げたこと。まともな塾でしたらこのような指導がなされていますから、これで学力がつくはずです。ですから・・・・



●通っている塾の指導に従って下さい。

●宿題を完全に実行させて下さい。

●指導の内容を疑わないで下さい。

 ひょっとしたら、「解説」すらいらないのかもしれない。プレスがかかっていれば独習でも力がつきますし、プレスのかかっていない状態で素晴らしい解説を聞いても何も残りません。
 僕の生徒さんたちはよく勉強しますよ。それは「わかりやすい」授業だからではなくて、馬渕が「恐い」からですorz・・・・。
 
 

よくあるご相談
次に二つ目「○○高校に合格させるために、どのような取り組みが必要でしょうか?」
  誤解があるといけないのですが、この相談をされる方が全員誤った認識を持っているわけではなくて、本当に必要な取り組みを真摯に求めている方も多い。そういう方には僕はこうお伝えしています。勉強を先取りするなんていう意味のないことに時間を使うなら、本をたくさん読ませた方がいいし、あるいは家の手伝いでもさせて規律や責任感を学ばせた方がいい。基礎的な知識や読解力、困難に立ち向かう強い意志とストレスに対する耐性があれば、勉強なんてすぐにできるようになる。中1で二次方程式が解けてもしょうがないですよ、と。
 
 しかし、そうでない方もいらっしゃる。
 
 「○○高校に合格させるために・・・・」と言っておきながら、それに付随する条件が多すぎる方がいらっしゃって、少し苦言です。
 
 ゲームを取り上げろというと「お友達も皆さん持っていますし、息子だけ取り上げるのは可哀想です」。携帯を取り上げろというと「今時の中学生は普通持っているものですよ」とくる。
 
 つまり、正確には次のようなことをご相談くださっているようなのです。「部活をやってテレビを見てゲームをやってマンガを読んで、それで 〇〇高校に楽に合格させる方法はないでしょうか?」
 
 答えは「ありません」。それは無理というものです。
 
 ゲーム取りあげて志望校に行ければ安いものじゃないか、と僕は思うのですけれど、どうもそういう発想はないらしい。とにかく「楽して」 「苦労させずに」学歴だけ欲しいらしいのです。
 
 まず、そんな方法はないし、仮にあったとしても、苦労せずに得た学歴にどれほどの価値があるのか。学歴とは「自分を知る力」「環境を知る力」「壁を乗り越える力」の証ではないのか。これらを伴わずに得た「〇〇高校」や「××大学」にいったい何の価値があるのか。「この子は内気で質問が出来ない子なんです。 自分からは言えない子なんです。ですから面倒見のいい高校で勉強させたいんです」。
 
?????
 
 そもそも何のために学歴をつけさせたいのでしょうか? 
 
 「内気」で「質問できない」なら勉強なんてしている場合じゃないよ。今から「社交的に」「きちんと話す」訓練しろよ、勉強よりもよっぽど大切な資質でしょう、と僕は言いたい。言えないけれど(←言っているよ~)。
 
 世の中の親は、みな当たり前に子供より先に死ぬのだ。自分が生きている間に、何としても子供が自力で生きていけるようにしなくてはいけないのだ。
 
 
  携帯やスマホが絶対に悪いと言っているわけではないんです。ゲームもたまにはいいのかもしれない。でも、子供がこれらをコントロールできないなら親が取り上げるべきです。少なくとも子供にこれらを渡す前にきちんとしたルール作りをして、いつでも親が回収できるようにしておくべきです。
 
 次の期末でかくかくしかじかの成績が取れなかったら没収する、と約束。約束したら確実に実行する。約束したことを実行しないのは「約束は守らなくてもいい」と教えるだけだからね、何があっても実行する。ここが大事。
 
 とにかく、楽して価値のあるものを手に入れる方法なんてないです。楽して手に入るものに価値なんてありませんて(キッパリ)。
 
 
 
 
 
 
 今回のコラムは少し辛口でした。生意気言っていたらすみません<(_ _)>
 
 斗満学院の近くにちょっと変わった学習塾がありまして、ここの塾長ブログが大変面白い。「あなたは僕ですか?」と思うほど共感します。塾を経営する目的が彼と僕とでは違うのでなかなか同じことは出来ませんが、そのブログに散りばめられたひとこと一言に、学力向上の基本的な手続きがすべて描かれています。
 
  どこの塾ですかって? お知りになりたい方にはこっそり教えちゃいますよ。

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