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身につけたい能力

勉強を教えるのが学習塾の仕事。で、学習塾で学べる「勉強」にはどんなものがあるのか。 僕が心がけている「勉強」の種類についてちょっと触れてみたいと思います。
お子さんの学習状況に疑問をお持ちの方の参考にでもなれば幸いです。

 

まず一つ目「読み」と「書き」
 
中学生の高校受験指導が中心の斗満学院ではあまりやらないんですけれど、まず一番重要な能力が「読み」と「書き」です。計算ですとか理論ですとかの前に、この学力が不足している生徒さんはここから改善しなくてはいけません。



「読み」は「文字列から、情報を汲み取って理解する能力」です。漢字が読めればいいというものではありません。


「書き」は「自分が理解している情報や主張をテキストベースの情報に変換して表現する能力」です。これまた漢字が書ければいいというものでもありません。


「書き」の方が難しいと言われていますけれど、「読める子は書ける」し「書ける子は読める」し、さらに「読める子は聞ける」「書ける子は話せる」というのが僕の実感です。

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『読み』と「書き」。実は学習塾で習得することが難しい能力です。漢字の学習だけでしたら塾でも自宅学習でもできると思うのですが、他者の表現を理解し自身の考えを伝える能力は、ドリル形式の反復学習ではなかなか身につくものではありません。


「読書」を通して他者の考えを理解し、「会話」を通じて理解し表現するトレーニングなしに、この能力を醸成することはできないと考えています。



一番大切な能力が一番習得しにくい。お子さんにゲーム機を買い与える前に、ちょっとお考えいただければと思います。
 


 次に二つ目「健全な暗記力」
 


次の事柄を、古い順に並べよ。
 
三世一身法・班田収授法・荘園の成立・墾田永年私財法

 

都立の入試によくあるベタな問題です。決して落としてはいけないところですね。

正解は

班田収授法 → 三世一身法 → 墾田永年私財法 → 荘園の成立 です。
 


これをですね、

● 班田収授法(701年の大宝律令としましょうか)

● 三世一身法(723年)

● 墾田永年私財法(743年)

● 荘園の成立(900年頃)

と年号で覚えて並べると・・・・めちゃくちゃキツいです。覚えるのがまず大変ですし、ひとつ忘れてしまったらギャンブルになってしまいます。
 

 
正しくは・・・・
田畑は全て国有地にして農民にレンタルすることにした=班田収授法
しかしこれでは新しい田畑が増えない。

そこで開墾した土地は孫の代まで使用してもいいことにした=三世一身法
それでも田畑が増えない。
そこで開墾した土地は子々孫々まで
使用(私有)してもいいことにした=墾田永年私財法

金持ちはバンバン田畑を開墾して私有=荘園の成立
 


という「流れ」で覚えないと、一時的に暗記できても1ヶ月後には残っていないわけです。
 


「健全な暗記力」とは、必ず何かに紐付けして覚える技術です。年号だけで覚えるのでは単に電話番号を覚えているのと変わりません。仮に電話番号を覚えるにしても、せめて「語呂」レベルの何かを紐付けしたいものです。


暗記学習は、学習塾が得意な分野です。勉強のかなりの部分が「暗記」に属するものですので、暗記が苦手な子は塾を頼るといいと思いますよ。
 


 最後に三つ目「スケジューリング」
 
定期試験前の1ヶ月間。いつまでに○○やって、いつまでに□□やって、ここでさらっと復習して、いつから△△やって・・・という「スケジューリング」。

中学生っていうのは基本的に自分自身に甘いですからね、自発的にこの技術を身につけている子ってとても少ないと思います。



僕はこのスケジューリングにとてもうるさいんですけれど、生徒さんがこれを身につけてくれていると本当に助かります。

僕が担当する西荻窪教室の2年生レギュラークラスの子を比較的安心して見ていられるのは、1年生から通ってくれている子の多くがこの能力を身につけているからなんですね。

そこで現在1年生のクラスで最も重視している課題。それがこのスケジューリングです。何が足りなかったのか。なぜ不足してしまったころがあったのか。学校の定期テストの結果が返ってきたらきちんと振り返って反省し、次のテスト勉強に活かす。そしてこれを繰り返す。
 

1年生のうちにこの技術が身につけば2年生になってからも大きな失敗はないはず。中学生が一番初めに取り組む課題としてオススメです。
  


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「うちの子は理解力がないんです」という相談を受けることがあるんですけれど、「理解力」って国語力だけの問題ではないし、もちろん論理的思考力だけの問題でもない。
「相手の言っている未知の内容が理解できる」「書いてある未知の内容が理解できる」というのは、やはり総合的な能力だと思うんですよね。だから「理解力」そこだけを伸ばすのはなかなか難しい。まず「読んで」「書いて」、そして「覚えて」、そしてこのプロセスを管理する。そのための「好ましい生活習慣」を身につけてこれを繰り返す。こういった下地があってようやく「理解力」は身につくのだと思います。
 
勉強って「やればできるようになる」のですけれど、ただやみくもにやるのではなくて、きちんと「テーマ」と「目標」を決めて取り組むとグッと効率が上がります。一人で勉強していて空回りしてるな、って感じる時は、早めに学習塾を頼ってくださいね。
 


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